内容説明
演劇性の豊かな大名行列は、武士も庶民も大好きな見世物だった!財政が厳しくても、権威と格をみせつけたい大名たち、手当と娯楽と修業のために、江戸へ行きたい藩士たち。気鋭の日本研究者が、斬新な切り口で描く日本文化論。
目次
第1章 参勤交代のしくみ
第2章 江戸への道、土佐への道
第3章 パフォーマンスとしての大名行列
第4章 江戸へ旅立つ藩士たち
第5章 大名屋敷の内と外
第6章 江戸体験
第7章 運ばれる文化
著者等紹介
ヴァポリス,コンスタンチン[ヴァポリス,コンスタンチン][Vaporis,Constantine Nomikos]
1979年オハイオ州立大学日本語・日本文学科卒業。1987年プリンストン大学より博士号(Ph.D.)取得(東アジア研究専攻)。プリンストン大学講師を経て、メリーランド州立大学教授。東京大学史料編纂所外国人研究員(1984‐86,1990‐91)。国際日本文化研究センター外国人研究員(2003‐2004)。専攻は近世日本研究(社会史・文化史・ジェンダー論)
小島康敬[コジマヤスノリ]
国際基督教大学教授・同大学アジア文化研究所所長。専攻は日本思想史
スティール,M.ウィリアム[スティール,M.ウィリアム][Steele,M.William]
国際基督教大学教授。専攻は近代日本政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
4
2008年刊書の邦訳版。近世の参勤交代を、その制度、旅と行列の実像、人事と職務、藩邸の空間と生活、文化交流などさまざまな側面から総体的に描きます。中心史料としている土佐藩の日記の面白さ(あの才谷屋も登場します)もあるのでしょうが、具体に徹し、参勤交代に関わった人々や生活が映像のように現れる書きぶりは見事で、海外の研究者だからこその一冊かもしれません。もちろん研究史もしっかり抑えられています。それにしても英語版タイトルはTour of Duty、うまいこと表現するものです。2018/01/26
メルセ・ひすい
2
14-1 赤13-67 参勤交代⇒徳川家康の人質大作戦⇒北朝鮮がスターリン・毛沢東の戦略の猿まねで拉致政策ヾ(▼ヘ▼;) 一方、意外や江戸時代・地方の文化と江戸の豊潤な文化の相互交流!田舎侍が参勤交代により同時代における日本文化の断片化、孤立化を防いでいた。徳川幕府にとってゆるい情報交換・均質化価値感の共有は政権維持の妙薬。怪我の功名なのだ? (☆。☆) 米国の学者から逆輸入とは(/ω\) 武士って文化の運搬者だったの。儒教フェチの専門馬鹿でしょ? そうです、お付きの商人や下働きの労働者諸君が主役だよね!2010/10/03
takao
1
ふむ2021/12/24
koji
1
参勤交代を文化の循環と見る思想は新鮮なものでした。著者が日本文献を渉猟し、こと細かに調べつくす姿勢に共感しました。(以前、別のペンネームで書いたものをkojiに移しました。) 2010/08/26
ほしまめ
1
レポートを書く、指針になればと思って読んだ本でしたが、それ以上に面白かったです。2011/08/13